こんにちは。ソトソーヤブログ運営者です。
隣の土地を少しだけ買いたいと考えているけれど、どうやって交渉すればいいのか、価格はいくらが妥当なのか、分筆の手続きはどうすればいいのか、わからないことだらけで不安に感じていませんか。
隣地購入は駐車場の確保や建て替えのための敷地拡大、再建築不可物件の接道義務を満たすためなど、さまざまな理由で検討されますが、相手がいることなので交渉方法や進め方に正解がないのが難しいところです。
私自身も実際に隣地を購入した経験があり、所有者への最初の声のかけ方から価格交渉、個人間売買での契約、登記完了まで、すべてのプロセスを経験しました。その中で感じたのは、隣地購入の交渉は相手の状況や関係性によって進め方が大きく変わるということです。
この記事では、隣地購入の基本的な知識から交渉のコツ、実際の体験談をもとにした実践的なノウハウまでをまとめています。正解のない交渉だからこそ、実体験に基づく具体的な事例が参考になると思いますよ。
この記事で分かること
- 隣地購入で実現できることと価格の考え方
- 所有者の調べ方と事前準備の具体的な手順
- 交渉を始める際の切り出し方と実際のやりとり
- 個人間売買を成功させるための実践的なポイント

2026年1月9日 私の隣地 300坪を実際に購入しました。売主との交渉~購入までの期間は約4か月。この間の売主とのやり取りやかかった諸費用、プロセスをノウハウとして別の記事で全て包み隠さず提供しています。是非参考にしてください。
隣の土地を少しだけ買いたいときの基本知識と準備
隣地を購入する前に、まず知っておくべき基礎知識と事前準備について解説します。いきなり交渉を始めるのではなく、土地の情報を正確に把握し、購入後のメリットや適正価格を理解しておくことが、スムーズな交渉につながります。
隣地購入で実現できることと増分価値の考え方
隣の土地を購入することで、単純に敷地面積が広がるだけでなく、土地全体の価値が購入前より大きく上昇することがあります。これを不動産用語で「増分価値」と呼びます。
例えば、現在の自分の土地が600万円、隣地が1,000万円だとします。単純に合計すれば1,600万円ですが、購入後に2つの土地が一体化することで、全体の評価額が2,000万円になるケースがあります。この場合の増分価値は400万円です。
増分価値が生まれる主なケース
- 不整形地が整形地になる
- 接道義務を満たし再建築不可が解消される
- 角地になることで建ぺい率が緩和される
- 間口が広がり使い勝手が向上する
- 容積率が上がり建物の規模を拡大できる
具体的な使い道としては、駐車場スペースの確保、庭や菜園の拡張、増築や建て替えのための面積確保、賃貸経営の拡大などが挙げられます。特に再建築不可物件を所有している方にとっては、隣地購入が唯一の解決策になることもあります。
「隣の土地は借金してでも買え」という不動産業界の格言があるほど、隣地購入は資産価値向上に大きく貢献する可能性があるんです。
隣地の所有者を調べる方法と登記事項証明書の取得
交渉を始める前に、まず隣地の所有者が誰なのかを正確に把握する必要があります。登記事項証明書を取得すれば、所有者の氏名や住所、抵当権の有無、地目、地積などの情報がすべて確認できます。
登記事項証明書は、法務局の「登記・供託オンライン申請システム」を使えば、相手の許可なく誰でも取得できます。不動産番号または所在地を入力して郵送受取を選択すれば、数日後に自宅に届きます。手数料は数百円程度です。
登記事項証明書で確認できる主な情報
- 所有者の氏名・住所
- 地目(宅地、山林、農地など)
- 地積(土地の面積)
- 抵当権などの権利関係
- 共有者の有無
特に重要なのは地目の確認です。農地の場合は農地法の許可が必要になり、購入のハードルが高くなります。また、抵当権が設定されている場合は、売主がローンを完済して抵当権を抹消する必要があるため、交渉が複雑になることがあります。
私自身も交渉を始める前に登記事項証明書を取得し、地目が山林であることや市街化調整区域であることを事前に把握していました。この情報があったおかげで、価格交渉の際に適切な相場感を持って臨むことができました。
隣地購入の相場と適正価格の決め方
隣地購入で最も難しいのが価格の決め方です。一般的な不動産売買と異なり、隣地購入では買主側に大きなメリットがあるため、相場より高い価格になりやすい傾向があります。
まず周辺相場を把握する方法としては、以下の3つがあります。
- 相続税路線価を確認して0.8で割る(実勢価格の約80%が路線価)
- 固定資産税評価額を0.7で割る(実勢価格の約70%が評価額)
- 不動産売買サイトの売り出し価格を参考にする
ただし、隣地購入の場合は「増分価値」を考慮する必要があります。先ほど説明した増分価値の計算式を使って、自分にとっての購入上限額を把握しておくことが重要です。
適正価格の算出方法(実務的アプローチ)
| ステップ | 計算内容 |
|---|---|
| 1. 増分価値の計算 | 購入後の全体価格 −(自己所有地価格 + 隣地価格) |
| 2. 配分率の計算 | 隣地価格 ÷(自己所有地価格 + 隣地価格) |
| 3. 適正価格の算出 | 隣地価格 +(増分価値 × 配分率) |
例えば、自己所有地が600万円、隣地が1,000万円、購入後の全体価格が2,000万円の場合、増分価値は400万円、配分率は62.5%となり、適正価格は1,250万円と計算できます。
とはいえ、相手が「どうしても欲しいなら高く買ってくれるはず」と考えて、相場の1.3倍以上を提示してくることもあります。事前に上限額を決めておかないと、感情的に高値で購入してしまうリスクがあるので注意が必要です。
分筆が必要なケースと手続きの流れ
隣の土地の一部だけを購入したい場合、売主側で分筆登記を行う必要があります。分筆とは、1つの土地を2つ以上に分割して、それぞれ独立した土地として登記することです。
分筆が必要になる主なケースは以下の通りです。
- 隣地全体ではなく一部だけを購入する場合
- 相続で土地を分割して単独所有にする場合
- 共有土地を各自の単独所有に分ける場合
- 抵当権の設定範囲を土地の一部に限定する場合
分筆の手続きは、通常は土地家屋調査士に依頼します。まず境界が確定していることが前提で、未確定の場合は境界確定測量から始める必要があります。
分筆手続きの期間と費用
- 境界確定済みの場合:1ヶ月程度、費用15〜30万円
- 境界未確定の場合:3〜7ヶ月、費用40〜100万円以上
隣接地の数が多い、面積が広い、道路との境界も確定が必要な場合は、さらに時間と費用がかかります。
分筆費用は通常、売主が負担することが多いですが、交渉次第では買主が負担するケースもあります。誰が負担するのかは契約前にしっかり話し合っておくことが重要です。
隣地購入にかかる費用の内訳を知る
隣地を購入する際は、土地代金以外にもさまざまな費用がかかります。事前に総額を把握しておかないと、予算オーバーで困ることになりかねません。
主な費用項目は以下の通りです。
測量・分筆費用
境界確定測量が必要な場合は35〜80万円、分筆登記を含めると合計で40〜100万円以上かかることがあります。土地の面積や隣接地の数によって大きく変動します。
仲介手数料
不動産会社に仲介を依頼する場合、売買価格が400万円超なら「売買価格×3%+6万円+消費税」が上限です。例えば1,000万円の土地なら約40万円です。
登記費用
司法書士に所有権移転登記を依頼する場合、報酬として5〜10万円程度が必要です。
税金
- 不動産取得税:固定資産税評価額×3%(宅地は2027年3月31日まで評価額が1/2に軽減)
- 登録免許税:固定資産税評価額×1.5%(2026年3月31日まで軽減)
- 印紙税:契約金額に応じて数千円〜1万円程度
1,000万円の土地を購入する場合の費用総額目安
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 土地代金 | 1,000万円 |
| 測量・分筆費用 | 50〜100万円 |
| 仲介手数料(仲介利用時) | 約40万円 |
| 登記費用 | 20〜25万円 |
| 不動産取得税 | 約15万円 |
| 印紙税 | 1万円 |
| 合計(土地代金除く) | 約125〜180万円 |
これらの費用は、不動産会社に仲介を依頼するか個人間売買にするか、分筆が必要かどうかによって大きく変わります。予算計画を立てる際は、必ず諸費用を含めた総額で考えるようにしてください。
境界確定測量が必要な理由
隣地を購入する際、境界確定測量は絶対に省略してはいけない重要なプロセスです。境界が曖昧なまま購入してしまうと、購入後に隣地所有者とトラブルになるリスクが非常に高くなります。
境界確定測量が必要な理由は以下の通りです。
- 登記簿の面積と実測面積が異なることが多い(特に1960年以前の土地)
- 境界標がない、または位置が不明確なケースが多い
- 分筆登記をするには境界確定が前提条件
- 購入後の境界トラブルを未然に防ぐため
境界確定のプロセスは、まず法務局の公図や地積測量図などの資料を調査し、現地で精密測量を実施します。その後、隣接地所有者と現地で立ち会い、境界位置を確認して境界確認書を取り交わします。最後に境界標を設置して完了です。
境界確定で注意すべきポイント
隣接地の所有者が複数いる場合、全員の立ち会いと署名が原則として必要です。ただし令和4年10月の運用見直し後は、精度の高い地図がある場合や共有地で現地に住んでいる人がいる場合など、一部簡略化されるケースもあります。
過去のトラブルで隣地所有者が協力してくれない場合は、筆界特定制度やADR(境界問題相談センター)を利用する方法もあります。
境界確定には最低でも1〜2ヶ月、トラブルがあると数年かかることもあります。費用も35〜80万円と決して安くはありませんが、将来のトラブルを考えれば必要な投資です。
隣の土地を少しだけ買いたい人が知るべき交渉の難しさと実践のヒント
ここからは、実際に隣地所有者との交渉を進める際の考え方やポイントをお伝えします。隣地購入の交渉は相手がいることなので、相手の状況や関係性によって進め方が大きく変わります。私自身の経験も踏まえながら、交渉の難しさと成功のヒントを紹介していきます。
隣地購入の交渉方法は相手次第で正解が変わる
隣地購入の交渉で最も難しいのは、相手によって最適なアプローチ方法が全く異なるという点です。マニュアル通りにいかないからこそ、相手の状況を丁寧に観察し、柔軟に対応することが重要になります。
例えば、以下のような相手の状況によって交渉の進め方は大きく変わります。
- 近隣に住んでいて日常的に顔を合わせる相手なのか
- 遠方に住んでいて土地を放置している状態なのか
- 高齢で管理が負担になっている様子があるか
- 相続で複数の所有者がいるか
- 過去に境界トラブルなどがあったか
交渉は最低でも数か月、長ければ1年以上かかることも覚悟が必要です。「タイミングの合致」が成功の決め手なので、焦らずじっくり進めることが大切です。
交渉で失敗しやすいパターン
また、個人間で直接交渉するか、不動産会社に仲介を依頼するかも重要な判断ポイントです。仲介手数料はかかりますが、客観的な立場で交渉を進められるメリットは大きいです。特に価格交渉で揉めそうな場合は、専門家を介した方が結果的にスムーズに進むことが多いですよ。
売ってほしいと伝える言い方の実例は参考になる
最初の切り出し方は、隣地購入の成否を大きく左右します。いきなり「土地を売ってください」と言うのではなく、まずは信頼関係を築くことが何より重要です。
ここで注意したいのが、最初のアプローチで価格の話をしないこと、相手の状況や負担に共感する姿勢を示すこと、「前向きに検討したい」という柔らかい表現で意向を確認することです。
最初のアプローチで意識すべきポイント
遠方に住んでいる所有者に手紙でアプローチする場合も、同じ考え方が使えます。「管理が大変そうですね」「お困りではないですか」という共感から入り、「もしお考えがあれば」と柔らかく意向を確認する流れが自然です。
決して「安く買いたい」という態度を見せてはいけません。あくまで「お互いにとって良い形で進められれば」というスタンスが、信頼関係を築く第一歩になります。
個人間売買で進める場合の契約から登記までの実体験
私は最終的に不動産会社を通さず、売主と直接やり取りをして個人間売買で土地を購入しました。仲介手数料を節約できる反面、契約書の作成や登記手続きなど、すべて自分で調べて進める必要があり、かなりの手間がかかりました。
ただ、個人間売買だからこそ得られたメリットもありました。それは相手の背景を深く知り、納得感を持って価格を決められたことです。
実際にどのように進めたのか、最初のコンタクトから登記完了までの具体的な流れ、対面打ち合わせで何を話したのか、価格をどう決めたのか、契約書はどう作ったのか、といった詳細については、すべて別の記事でまとめています。
個人間売買の実体験で公開している内容
- 売主からの最初のメッセージと私の返信内容(原文)
- 第1回〜第3回の対面打ち合わせで話した内容
- 不動産会社に査定を依頼した経緯と活用方法
- 価格を100万円で合意した理由と交渉の空気感
- 契約書の全文(テンプレートとして活用可能)
- 司法書士への事前確認内容と当日の流れ
- 登記完了までのタイムライン(実際の日付入り)
正直なところ、個人間売買は想像以上に大変でした。でも、だからこそ得られた学びも多く、その経験をすべて記録として残しています。これから同じように個人間売買を検討している方には、具体的な参考資料として役立つと思います。
▼ 実体験の全記録はこちらで公開中
【実体験】不動産屋を通さずに土地を個人売買した全記録 ― ファーストコンタクトから登記完了まで
隣地購入のトラブル事例と失敗しないための対策
隣地購入では、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。事前にどんな問題が起こりうるかを知っておくことで、多くのトラブルは回避できます。
境界トラブル
最も多いのが境界に関するトラブルです。境界標がない、位置が不明確、登記上の面積と実測面積が異なるといった問題が典型的です。特に1960年以前に分筆された土地は、測量精度が低く、実際に測ってみたら登記簿より狭かったというケースも珍しくありません。
境界トラブルの予防策
- 購入前に必ず境界確定測量を実施する
- 隣地所有者全員から境界確認書を取得する
- 境界標を設置し、写真で記録を残す
- 現地で目視確認を必ず行う
価格交渉の決裂
売主が「隣接者なら高く買ってくれる」と期待して、相場の1.3倍以上を提示してくることがあります。特に再建築不可物件など、隣地購入が唯一の解決策になる場合は、完全に足元を見られるリスクがあります。
対策としては、事前に増分価値を計算して購入上限額を把握しておくこと、不動産会社に査定を依頼して客観的な根拠を示すことが有効です。
相続問題
隣地所有者が複数いる場合、全員の承諾が必要です。相続で揉めている、連絡が取れない所有者がいる、過去のトラブルで協力してくれないといったケースでは、交渉が長期化します。登記簿謄本で所有者を事前に確認し、共有状態なら不動産会社や弁護士を通じて交渉するのが安全です。
登記上の問題
抵当権が設定されている、借地権がある、地目が農地で転用許可が必要といった問題は、購入前に必ず確認しておくべきです。登記事項証明書を取得して、権利関係や地目を事前に把握しておくことが重要です。
これらのトラブルは、事前調査と専門家の活用で多くが防げます。仲介手数料や司法書士報酬を惜しんで個人間で口約束で進めると、後で大きなトラブルになるリスクが高いので注意してください。
隣人が売ってくれない場合の対処法と代替案
どれだけ丁寧に交渉しても、相手に売る意思がなければ購入はできません。これが隣地購入の最も難しい点です。
隣人が売ってくれない理由はさまざまです。将来的に自分や子どもが使う予定がある、思い入れがある土地だから手放したくない、価格が折り合わない、過去のトラブルで協力したくない、といったケースがあります。
この場合、無理に交渉を続けると関係が悪化するだけなので、以下の対処法を検討してください。
売ってもらえない場合の選択肢
- 待機・タイミングを見る:相続発生時、引越し予定時など、相手の状況が変わる機会を待つ
- 条件の見直し:価格を引き上げる、全部ではなく一部だけ購入する、賃貸での利用を提案する
- 別の隣地を検討:複数の隣地がある場合、他の所有者にアプローチする
- 購入を諦める:増分価値が少ない場合は、無理に購入せず現状の土地活用を最適化する
重要なのは、交渉不成立でも良好な隣人関係を維持することです。「いつでも相談してください」と伝えておき、定期的な挨拶や交流を続けることで、数年後に状況が変わったときに声をかけてもらえる可能性があります。
隣地購入は「タイミングの合致」が成功の決め手なので、焦らず長期的な視点で考えることが大切です。
隣の土地を少しだけ買いたい方へ|実体験ノウハウの活用法
ここまで、隣地購入の基礎知識から交渉の考え方、トラブル事例までをお伝えしてきました。ただ、実際に交渉を進める際は、相手の状況や関係性によって最適なアプローチが全く異なるため、正解のない世界です。
だからこそ、実際に隣地購入を経験した人の体験談や失敗談が、これから交渉を始める方にとって非常に参考になります。特に以下のような具体的な情報は、マニュアルには載っていません。
- 最初のコンタクトで実際にどんな言葉を使ったのか(原文)
- 対面打ち合わせで何を話し、どう雰囲気を作ったのか
- 価格交渉でどのように根拠を示し、どう合意に至ったのか
- 契約書に何を記載し、どう読み合わせたのか
- 登記当日の流れと必要書類の実物
- 失敗しそうだったポイントと対処法
私は自分の経験を、ファーストコンタクトから登記完了までの全プロセスを含めて、詳細に記録として残しています。売主との実際のメッセージのやり取り、対面打ち合わせで話した内容、契約書の全文、司法書士とのやり取り、タイムラインまで、すべて包み隠さず公開しています。
実体験ノウハウで得られること
これから隣地購入の交渉を始める方にとって、こうした具体的な実体験は、自分の状況に置き換えて考える際の貴重な判断材料になるはずです。正解のない交渉だからこそ、成功事例も失敗しかけたポイントも含めた実体験を参考にすることで、自分なりの最適なアプローチを見つけられると思います。
▼ 実体験の全記録はこちらで公開中
【実体験】不動産屋を通さずに土地を個人売買した全記録 ― ファーストコンタクトから登記完了まで
隣地購入は時間も手間もかかりますが、成功すれば土地の価値が大きく向上し、生活の質も改善されます。焦らず、相手との信頼関係を大切にしながら、納得のいく形で進められることを願っています。

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