神奈川県の丹沢山地・大山エリアは豊かな自然が魅力ですが、近年ツキノワグマの出没が相次いでおり、登山者や観光客、家族連れにも不安が広がっています。
2025年8月には、大山(伊勢原市)のケーブルカー駅付近でクマが目撃され、センサーカメラに映る映像がニュースになりました。
これを受け、各自治体や県は最新の注意情報を発信し、SNSでも話題に。この記事では、神奈川県内で報告されたクマ出没の最新状況をまとめるとともに、観光地・登山時の注意点やクマ遭遇回避の具体策を紹介します。安全に自然を楽しむためのマナーと心構えも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
神奈川で相次ぐクマ目撃情報

出典:NHK News
近年、神奈川県内の山岳エリアや観光スポットでクマの目撃が増えています。丹沢山地や大山一帯はツキノワグマの生息域で、神奈川県によると「丹沢山地はツキノワグマの生息地なので、どこでも熊と出あう可能性があります」。
実際に2025年8月17日には、伊勢原市の大山ケーブルカー山麓駅近く(こま参道)で体長1m超のクマが目撃され、ケーブルカー利用客が足止めされる事態となりました。
さらに8月27日早朝には同所で再びクマの姿がセンサーカメラに捉えられ、伊勢原市が市公式サイトで情報を発表しました。
市の発表によると、8月17日の目撃も含め同地点で短期間に2度の出没例があり、夜間・早朝の外出は特に注意するよう呼びかけています。
大山(伊勢原市)の目撃例
大山は箱根外輪山の東端に位置し、ケーブルカーや寺社参詣で有名な観光地です。しかし2025年夏、ケーブルカー山麓駅付近で相次いでクマの姿が確認されました。伊勢原市の発表では、8月17日夕方にツキノワグマ1頭を目撃(クマは山側へ逃走)、10日後の27日朝には同所で再度1頭が目撃され、当日設置のセンサーカメラにも映像が残っていたと報告されています。
いずれもケーブル駅下の参道脇(元旅館もとだき付近)の山側方向で確認され、伊勢原市は「夜間・早朝の行動に注意し、登山時には熊鈴携帯を」と呼びかけています。
大山では2024年にも6~11月に複数の目撃情報があり、今後も油断できない状況です。
弘法山公園(秦野市)の目撃例
秦野市の弘法山公園は低山ハイキングコースとして人気ですが、2024年10月下旬に園内でクマが立て続けに目撃されました。秦野市観光協会によると、10月25日~27日の3日間で「弘法山第1駐車場」「馬場道」「浅間山駐車場」付近で計3件の目撃情報が報告されています。
市はハイカーに対し、早朝や単独行動を避け、鈴やラジオで音を出すなどして注意を喚起しています。
弘法山周辺でも丹沢山地に生息するツキノワグマが人里近くまで降りてくる例が増えており、特に秋口は要注意です。
箱根エリアの目撃例
箱根町でも近年、山岳公園や観光地周辺でクマの痕跡や目撃情報が報告されています。箱根町公式サイトによれば、2024年4月には湯本地区近くの宮城野でクマとみられる動物が目撃されました。
さらに同町は過去数年分の出没例を公表しており、2023年7月には鷹ノ巣山コース沿いでフンが発見され、同年11月6日には明星ヶ岳山周辺および金時山付近でもクマ目撃が確認されています。
箱根では観光客の多い宮ノ下・仙石原周辺や金時山コースなど、山道や国道沿いでも目撃例があるため、ハイキングやドライブ時も注意が必要です。
2024年には神奈川県の霊園に巨大クマが出没した事例もあります。
登山・観光時の注意ポイント
上記のような事例を受け、登山や観光で神奈川の山地に入る際は以下の点に注意してください。
- 情報収集と日時選定
山に入る前に神奈川県や市町村のクマ出没情報を確認し、危険区域には近づかない。クマが活発に行動する早朝・夕方や濃霧時の入山は避けましょう。 - 同行者と音の演出
一人行動は避け、必ず2人以上で行動する。鈴や笛、ラジオなど音の出るものを携帯し、常に人の存在をクマに知らせるようにしましょう。
また、子グマを見つけた場合はそっとその場を離れ、母グマが近くにいないか警戒が必要です。 - 食糧・ゴミ管理
クマを引き寄せないため、山中では食べ残しや生ゴミを放置しないことが鉄則です。箱根町の注意喚起でも「エサになるものを屋外に放置しない」「ゴミは収集日当日に出す」などを呼びかけています。
生ゴミの味を覚えたクマは人里まで接近するため、登山口やキャンプ場でもゴミはしっかり持ち帰りましょう。 - 出会ったときの行動
もしクマと遭遇してしまったら、慌てず騒がず、ゆっくり後退するのが基本です。県のガイドラインでは「大声を出して騒がない」「背中を見せて走って逃げない」「物を投げつけたりして刺激しない」ことを推奨しています。
50m以上距離があれば様子を見ながら静かに離れ、近距離なら怒らせず距離を取って立ち去ります。
クマがこちらを追ってくる習性があるため、決して背を向けて逃げないよう注意してください。
クマ遭遇回避の具体策

ソトソーヤブログイメージ
クマとの不必要な遭遇を避けるため、次の具体的な対策を心がけましょう。
- 鈴やラジオの携行
常にクマ除けの鈴や携帯ラジオを身につけて音を発し、自分の存在をクマに知らせます。音を出すことでクマが人の接近を察知し、驚いて逃げる可能性が高まります。 - 有効装備の用意
川や海に設置されるようなクマよけスプレー(唐辛子成分のカプサイシン)も有効です。丹沢山系で2025年2月に女性がクマに襲われる事件がありましたが、県警は「熊除け鈴は必需品、クマよけスプレーも装備を」と呼びかけています。余裕があれば携帯しておくと安心です。 - 行動パターンの工夫
早朝や夜間の登山を極力避け、人通りの少ない尾根道や踏み跡の不明瞭な道も避けるのが賢明です。また、登山計画は家族や関係者に知らせ、万一の際に通報できるよう携帯電話の電波状況も確認しておきましょう。 - 周辺環境の警戒
登山道でフンや爪痕、足跡などが見つかったらその付近の通行を控えましょう。クマは同じ場所に何度も戻る習性があるため、痕跡があった場所は危険信号です。また、子連れグマに遭遇するケースでは、親グマが近くにいる可能性が非常に高いため、発見時は一層注意してください。
次の記事で、熊鈴とクマよけスプレーの適切な使用方法について記載しています。
記事:熊鈴は効果ない?適切な使い方を紹介
記事:クマよけスプレーは効果ない?適切な使い方を紹介
神奈川県・自治体の公式情報・対応
神奈川県や各市町村は公式ホームページで目撃情報や防護対策を発信しています。県は2025年8月25日にツキノワグマ情報ページを更新し、今年度の目撃情報をPDFで公開しました。
公式ページには「丹沢山地はクマの生息地」「クマとあわない工夫をしましょう」などの注意喚起やリーフレットが掲載されています。
各自治体も独自に情報発信しています。伊勢原市は公式サイトで8月17日・27日の大山ケーブル駅周辺の目撃情報を公開し、夜間・早朝の警戒を呼びかけました。
秦野市観光協会もクマ目撃情報を知らせ、登山時の注意点を案内しています。
箱根町は「町内でのツキノワグマ出没情報」を掲載し、過去数年の出没例を公開しています。
これら公式情報をこまめにチェックし、自治体の広報にも注意して行動してください。
まとめ:自然と向き合うマナーと心構え
神奈川県の美しい自然はツキノワグマの重要な生息地でもあります。
クマは本来人を避ける動物ですが、環境の変化で人里近くに出没するケースが増えています。登山や観光の際は、以下を守りマナーを徹底しましょう。
- 自然への敬意
山はクマのテリトリーであることを忘れず、遭遇してもむやみに刺激しない。尾根や登山道を外れて深追いしない。 - ゴミ・食料の持ち帰り
残飯や果物の皮などを山中に放置しない。クマに味を覚えさせないことが、長期的な共存につながります。 - 安全最優先
天候変化や体調不良など予期せぬ事態に備え、無理のない計画を。上記の注意点を守りつつ、登山計画や連絡手段を整えましょう。
クマとの共存は難しい課題ですが、最新情報を確認し、用心深く行動することで遭遇リスクを下げることができます。自然と親しみながらも、常に熊の存在を意識して、安全なアウトドアを心がけてください。
記事①:熊鈴は効果ない?適切な使い方を紹介
記事②:クマよけスプレーは効果ない?適切な使い方を紹介
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